モバイルバッテリーやアクションカメラなどに使われる小型バッテリーの処分は地味に困る。火災のリスクがあるため、一般的な家庭ごみとして処分することができない。これは中に入っている「リチウムイオン電池」などのリチウム系バッテリーが、取り扱いを間違えると最悪の場合火災を引き起こす可能性があるため。
モバイルバッテリーの商品は「小型充電式電池等」と呼ばれ、地方自治体の指示する方法で処分する必要がある。今回は実際にそのリチウムイオン電池を捨ててきたので、そのやり方を紹介する。
リチウムイオン電池の捨て方
といってもその方法は極めて簡単。まずはお手元のスマホやPCで「(お住いの自治体)〇〇市 リチウムイオン電池 回収」などのワードで検索する。すると何が「小型充電式電池等」に値するのか、そしてどこでそれを回収してくれるのかが出てくる。
回収対象の家電製品
僕が住んでいる自治体の場合、
- 小型充電式電池
- モバイルバッテリー
- 加熱式タバコ
- ハンディファン
- スマートフォン
- タブレット端末
- ゲーム機
- ワイヤレスイヤホン
- 音楽プレイヤー
- 電動歯ブラシ
- ハンディクリーナー
- その他小型充電式電池が取り外せない家電製品等
これらが回収の対象となっているとのことだった。要するにリチウムイオン電池を内蔵したものなら全部ということだ。ただし僕の地域では車やバイク、電動アシスト自転車のバッテリーは回収対象外とのこと。

地域によって対応が異なるようだが、僕の地域の場合はショート防止のために金属端子部分に絶縁が必要との注意書きがあった。これに沿って今回処分するバッテリー(GoPro純正バッテリー)には、端子をビニールテープで絶縁処理してから持ち込んだ。
回収場所
回収場所としては以下の場所があるとのこと。
- 市役所
- 市役所支所
- 公民館
また地域によってはゴミ処分場(清掃センター)で直接引き取りもしてくれるらしい。
家電量販店に回収ボックスがある場合も
実は大手家電量販店には大抵の場合入口付近にリチウムイオン電池の回収ボックスが用意されている。これは一般社団法人JBRCというものに加盟しているため。小型充電式電池を推進するJBRCに加盟したメーカーと販売店が協力して回収を行っているのだ。
JBRC加盟店の場合、自治体では回収対象外となっていた電動アシスト自転車のバッテリーも自転車販売店でなら回収してくれる。正確な回収店はJBRCのWebサイトから確認できる。
ただしJBRC加盟店での電池回収にはいくつかのハードルがある。
- スリーアローマークがあること
- JBRC加盟企業のメーカー品であること
- 電池の種類が明確(ニッカド、ニッケル水素、リチウムイオン電池)であること
- 破損、水漏れ、膨張等の異常がないこと
- 外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと
これらの条件をすべて満たさないとJBRCの回収ボックスでは回収してくれない。

今回捨てようと思っているGoPro純正バッテリーは残念ながら膨らんでしまっているので回収不可。当然Amazonで売ってる謎メーカー品はJBRCに加盟していないので全部ダメだし、実はGoProやDJI、Insta360などの有名どころですら非加盟メーカーの様子(家電量販店で取り扱いがあるのに…)。ちなみにモバイルバッテリーで有名なAnkerは加盟メーカーだった。
国内メーカーならほぼ全部加盟しているので問題なさそうだが、仕組みから言えばJBRC加盟店での回収は割とめんどくさい。
自治体の回収ボックスに捨ててみた
というわけで僕は自治体の回収ボックスでリチウムイオン電池を捨てることにした。こちらならJBRCと違い回収に細かな決まりがないので、謎メーカー品や膨らんでいるバッテリーでも捨てられる。

実際に近所の回収場所に行ってみたら、このようなボックスとペール缶が置いてあった。大きいボックスには家電製品を、ペール缶には電池本体を捨てるらしい。

ペール缶の中を見てみると、ひげ剃りやハンディ掃除機のバッテリー、モバイルバッテリーなど様々な電池が捨てられていた。僕も家から出てきた不要なバッテリーをこの中に入れておいた。もちろん絶縁処理は忘れずに。
捨てるのは意外と簡単だが案内は少ない
リチウムイオン電池は穴が空いたりすると火災が発生する危険性があり、それ故ゴミ収集車での回収は行えない。だから専用の回収ボックスが用意されているのだが、その案内がかなり少ないのは残念だなと思う。自治体の回収場所もそこまでたくさんあるわけじゃないし、JBRC加盟店での回収は案外ハードルが高い。
ただ一度理解してしまえば簡単に捨てられるのも事実。特に自治体の回収ボックスなら絶縁処理だけすれば捨てられるので、家が燃える前に不要なバッテリーは捨てましょう。


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