アクションカメラは今やこの分野では中華のトップブランドと化したSJCAMのSJ4000とSJ5000Xを持っている僕(買った当時はただのパチモン的な立ち位置だったのだけども)。手振れ補正がありかつ1080p60fpsで撮影できるSJ5000Xを振動が多い場面に、そして白飛びが少なく色味がきれいなSJ4000を車でサーキットを走るとき用にと使い分けている。ただ、SJ5000Xの色味の悪さと手振れ補正のイマイチさ、そしてSJ4000の1080p30fpsでしか撮影できないという性能に不満がある。
というわけで以前はSJ7 starとGoPro5を比較検討したんだけども、気づいたらGoPro6とSJ8 Proが発売されていた。世界最高のアクションカムと中華最高峰カムを比較してみよう。
スペックを比較
さっそくGoPro6とSJ8 Proのスペックを比較する。
スペックは以下のものを参照しました。
GoPro6は機能が多すぎる
GoProが世界最高のアクションカムであるところは否定の余地がない。僕はもっていないが友人が多数所持していて、その映像を見ると、自前のSJCAMではこうは撮れないと思わされるクオリティの高さに常々感心するレベルだ。
しかし考えてみてほしいのだが、アクションカメラはそこまで多機能である必要があるのだろうか?少なくとも僕にとってのアクションカメラは、スイッチを入れて撮影ボタンを押せばそれでいい、というものであってほしい。一度設定してしまえば、よほど稀有なシチュエーションでない限りfpsを細かく変更したり、ISO感度の上下限を設定したりすることはない。fpsなんて60か30、あるいはスーパースローが撮りたくて120か240にすることがたまにあるぐらいなものだし、取り扱いの手軽さを考えると解像度も1080pが常用で、ごくまれに4Kが必要になるかもしれない…ぐらい。音声コントロールとか絶対使わないし、GPSの撮影場所の記録とか要らない。こんなにいろいろ設定項目がいるのかなぁ~というのがGoPro6に対する僕の素直な感想である。
違いは1080p 240fpsの有無
となると、個人的に気になるのは1080p 240fpsの有無。スーパースロー動画が撮影したいと思った時、GoPro6の1080p 240fpsは強い味方になると思われる。でも4K 60fpsってデータ量だけで言えば1080p 240fpsと同じなんだから、SJ8 Proも対応してくれればいいだけのような気がするんだけども…。もしかすると将来的にアップデートで対応される可能性があるかもしれない。
SJ8は小型軽量+三脚穴有り
アクションカメラは小型軽量でなければならない。大きいと荷物の邪魔だし、重たいと撮影するのに疲れてしまう。たとえそれが数gの差であっても。
GoPro HERO6 Black | SJ8 Pro | |
---|---|---|
ボディサイズ | 62W×44.5D×32H mm | 62.5W×41D×28.8H mm |
重量 | 117g | 85g |
というわけで表の一部を切り取ってみると、SJ8 ProはGoPro6に対して、幅がわずか0.5mmだけ大きいものの、それ以外のすべてでGoPro6を上回っている。
さらに、GoPro6はそのままで水深10mまで耐えられるボディを持つ一方で、ネイキッドフレームを装着しないことには豊富なアタッチメントをつけられない仕様となっている。それに対しSJ8 Proは、本体のレンズ真下に三脚穴が付いているので、自撮り棒などを取り付けるだけであればそのまま装着可能となっている。とにかく手軽に使いたい!というユーザーにとってこの違いは大きいのではないだろうか。
手振れ補正はSJ8 Proの圧勝?!
僕がアクションカメラに一番求める性能が、手振れ補正の強さ。ものすごく振動もGもかかる場面にアクションカメラを搭載することが多いからだ。SJ5000Xは映像が見れるレベルにまでブレを抑えてくれるのはいいのだけども、一方で
「手振れ補正効かしてます!」
と全力でアピールしてるのかと思うほどに画角が上下左右にずれるはいかがなものなのかと感じている。その点歴代GoProの手振れ補正は素晴らしく、GoPro6でもそこを魅力に感じているのだけども、どうやらGoPro6の手振れ補正はカクカクするという話がちらほら入ってくる。それに対し6軸ジャイロセンサーを搭載するSJ8 Proは手振れ補正で上回れるのか…?
SJ8 ProとGoPro6を比較している動画があったので見てみると、SJ8はジンバルに乗せて撮影してるのではないかと思うぐらい滑らかなのに、GoPro6は補正しようと頑張っているのは分かるけどもカクついてしまっている。どうやら手振れ補正はSJ8 Proの圧勝のようだ。ってかSJ8 Proの補正はすごすぎる…。
SJ8の色味はナチュラルながら白飛びが激しい
ここまでSJ8を絶賛してきたけども、唯一気になる点がこれ。白飛び耐性の弱さ。先ほどの動画を見るに、SJ8は色味がナチュラルな一方で、空や明暗差の激しい部分で白飛びが激しく発生してしまっているのがとても気になる。この動画がHDR(ダイナミックレンジ合成)機能をONにして撮影したのかどうかは不明だが、ここまで白飛びがあると撮影できるものに限りが生まれてしまう可能性も。特に車のオンボード撮影などは厳しいだろう…。GoPro6のほうがディテールまでクッキリと映し出している
他の比較動画を見てみても、SJ8の白飛び耐性の弱さは気になる(その分暗いところがGoPro6よりも明るく写っているようにも見える)。さらに気になったのは、映像のディテールの細かさ。この動画で比べると、
- 石畳の目
- タイルの細かさ
- 芝生の生え方
などに注目してみてみると、GoPro6のほうが圧倒的に描写がカリっとしていることがわかると思う。SJ8のほうは全体的にピンボケしているような、描写が甘く感じられる。
実売1.8万円の価格差を映像の美しさに見出せるか
しかしSJ4000が出始めた頃は4000円ぐらいで買えたことを考えると、SJCAMも随分と値を張るようになったもんだなぁと感心する。もちろんその分性能もあがったのだけど、できればSJ8 Proには2万円前半ぐらいで販売して欲しかった…。実際先代のSJ7 Starは$199だったし。
しかし気になる点はありつつも、GoProを圧倒する手振れ補正の効き方を持つアクションカメラが1.8万円安い価格で買えるというのはかなり魅力的。GoProのブランドと映像の美しさを取るか、あるいは多少の映像の荒さに目をつむっても手振れ補正を取るか。僕のように過酷な撮影環境であることが分かっているの人にはSJ8 Proをオススメしたい。
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