パソコンを使ってする仕事ばかりを基本的にやっている僕なんだけども、いつもの仕事場ではデスクトップPCを使い、出先ではノートPCというように使い分けを行っている。出先でもPhotoshop等の重めのソフトを使うことがちょくちょくあるので、core i5にRADEONのグラボが付いているVAIOを使っていたのだけども、これがSSD換装したとはいえ2012年モデルだし、13.3インチでフルHDじゃないし、厚さも23mmぐらいあるし、最近はファンが動きっぱなしだし、と不満が大きくなってきた。もうちょっといい感じのものに買い替えたい。
15インチでグラボ付きで軽くて薄いノートPCがいい
13インチってブログ書いたりするぐらいだと全然問題ないのだけど(というかむしろちょうどいい)、画像処理系の作業をするには小さくて見ずらいな~と思うことが多かった。だから条件としてはこんな感じのものが欲しい。
- 画面サイズ:15インチぐらい
- 解像度:フルHD以上でアンチグレアがいい
- CPU:第8世代core i7
- そこそこのグラフィックボード搭載
- なるべく軽い(1.5kgぐらい)
- なるべく薄い(20mm以下)
薄くて軽い最強PCは現状でLG Gramなんだけど、あれグラボ乗ってない割にべらぼうに高いんだよね…。グラボ付きが欲しい人はゲーミングPC選んじゃうし、でもそういうのは持ち運び性よりもスペック重視してるから厚くて重たいのが多いし、軽いのを選ぶとスペックが微妙。なかなかちょうどいいノートPCは少ない…。
MSI PS63 Modern PS63-8RC-023JP
しかし探してみるとやっぱりそういうニッチな要求に応えてくれるパソコンも存在した。それがこれ。
特徴的なドラゴンマークの段ボール箱…
白くて高級感漂う箱から出てくるもの、それは…
MSI PS63 Modern!ゲーミングPCブランドMSIのビジネス・クリエイター用PCシリーズ「Prestige」のハイエンドモデルだ。2019年1月末に販売された最新機種。
スペック
【レビュー】
形式 | PS63-8RC-023JP | PS63-8RC-001JP |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit | |
CPU |
インテル® Core™ i7-8565U |
|
ディスプレイ | 15.6インチ、フルHD(1,920×1,080) ノングレア、狭額縁デザイン |
|
GPU | NVIDIA® GeForce® GTX 1050 Max-Q デザイン 4GB GDDR5 | |
メモリ | 8GB DDR4 | 16GB DDR4 |
SSD | 512GB(M.2 NVMe) | |
無線LAN | IEEE802.11 a/b/g/n/ac+Bluetooth 5 | |
キーボード | シングルカラーバックライト内蔵日本語キーボード | |
バッテリー | リチウムポリマー内蔵型 4セル 5,280mAh | |
本体サイズ | 356.8×233.7×15.9(mm) | |
本体重量 | 1.6Kg(バッテリー含む) | |
駆動時間 | 16時間(JEITA 2.0) |
今回購入したのはPS63-8RC-023JPなので、メモリが8GBのモデルとなる。上位版のPS63-8RC-001JPはメモリが16GBとなるが、2機種にそれ以外の違いは無し。
15.6インチで13インチ+α程度のサイズ感
現在使用している13.3インチのVAIOをPS63の上に置いてみるとこんな感じ。奥行きはVAIOにはヒンジがあるのでほぼ変わらず、横幅は実測で26mmだけPS63のほうが大きかった。
それはベゼルの最薄部が5.6mmしかない狭額縁デザインを採用しているから。画面のほぼ全部(画面占有率86%)が液晶なので、ものすごくすっきりしている。
さらに厚みはわずか16mmとぺらんぺらん。実際には底面のゴム脚によって奥側が4mmほどかさ上げされているが、手に取った瞬間に「薄い!」と感動した。重量的には1.6kgあるので特別に軽いという印象はなく、むしろ薄さやアルミボディの質感も伴って固塊感が強いが、2kg近くあるものがほとんどなグラボ付き15インチノートPCの中ではそこそこ軽い。
軽量薄型なのに強力なハードウェアを装備!
PS63 Modernの一番魅力に感じたところがここ。薄型かつ軽量な設計なのに、ハードウェアはかなり強力なものが搭載されているってところだ。一般的にスリムなノートPCは冷却性能を上げる事が難しいので、高性能なCPUやグラフィックボードを搭載することが難しい。しかしPS63 Modernは、2019年4月時点でノートPC向けとしては最高峰クラスとなる第8世代のCore i7-8560Uを搭載し、なおかつGTX 1050まで搭載している。ただしグラボはMax-Q デザインというノートPC向けの消費電力を抑えた低クロック周波数モデルなので、ゲーミングPCとしての性能は微妙。もちろん僕はそういう用途じゃなくて、動画や画像編集といった作業をスムーズに行うことを目的としているので必要十分。
そんな芸当ができるのは、MSIがこれまでゲーミングPCブランドとして培ってきた冷却技術があるから。Cooler Boost 3と名付けられた冷却システムが強力にCPUやGPUを冷やしてくれる。排熱やファンの音に関しては後述。
黒×青の落ち着いたデザインがかっこいい
PS63 Modernのもう一つの魅力はデザイン。開いたときのデザインはもちろんだが、縁のカットラインがどれも青く染められていて、これがマットブラックの質感にすごくよく似合う。トップにあるMSIのドラゴンロゴの主張も激しくなく、光の角度によってちらっと見えるだけなので、かなり落ち着いた大人なデザインだと思った。
不思議配列だけど日本語キーボード
MSIのパソコンは英語配列のキーボードが多いのだけど、その中でもこれはきちんと日本語キーボードなのがうれしい(訂正:現在MSIのほとんどの日本向け製品は日本語キーボードだそうです)。テンキーがないが、その分ゆとりを持ったキーボード配列、かつそこそこ静音でクリック感のちゃんとあるので、タイピングは快適。Enterキーの横に一列独自のキーが並んでいることと、せっかくの落ち着いたデザインなのにキーボードのフォントがゲーミング風なのはいただけないポイントではあるが…。
また(個人的には手のひらで誤作動しがちなのでFn+F3で無効化するのだけど)、Silky Smoothと名付けられたタッチパッドはスルスルした触り心地で気持ちがよく、面積も広いので操作性は高い。左上には指紋認証も搭載していて、人差し指を載せるだけでパスワードを解除してくれるのはすごく便利で快適だなぁと思った。
ACアダプターが小型軽量化したらしいが、意外と重い
MSI曰く「従来型よりもACアダプターを19%小型化、38%軽量化」したものがPS63には付属する。正方形デザインが物珍しいが、これが思ってたよりも大きいし、あんまり軽くない。
実重量は341g。DC19V-4.74Aとそこそこの高出量なのだけど、それにしたって今どきもうちょっと軽くてもいいのではないか、という気がする。ちなみに2012年式VAIOのACアダプターはほぼ同出力で301gだった。どうせノートPCでアース線なんて取れないのだから、アースを省いたコードをつけてくれればよかったのになぁなんて思わなくもない。
充電器込みで2kgぴったり
PS63 Modern単体では1660g。ACアダプター込みでは(誤差もあって)2000gピッタリだった。ACアダプターの重量が足を引っ張っていることもあって、持ち運びに特化した軽量PCに比べると全然軽くない。公称16時間の駆動時間があるのでちょっとした外出先ではACアダプターは不要だが、もうちょっと軽いと嬉しかった。(とはいっても僕の従来の機材+50gなので気にならないが)
ちなみに14インチモデルのPS42であれば、電池以外ほぼPS63と同スペックで本体重量が1.2kg、そこに400gのACアダプターが付いて約1.6kgという感じらしい。画面サイズよりも軽さを優先したい人はPS42の方がいい。
液晶画面は色鮮やかで美しい
フルHDの15.6インチ液晶画面の駆動方式は公開されていないが、どの角度から見てもしっかりはっきりと色が見えるので、少なくともTNパネルではなくIPSに近いものだと思われる。sRGBに100%対応を謳うTRUE COLOR TECHNOLOGYを搭載しており、色味ははっきりくっきりとしていて美しく、特別に何か変な感じがあったりはしない。Adobe RGB対応は謳われていないので、その辺を気にする人はいるかもしれないが…。
標準状態では画面の拡大率が125%に設定されているが、文字もちょうどいいサイズ感で見やすい。 試しに拡大率を100%にしてみたが、15.6インチサイズでも意外と普通に見えるな~というのが正直な感想。ただソフトによっては文字がにじんで見えるものもあったので、その際には調整が必要。
なぜフルサイズSDカードリーダーを搭載してないのか…
画面に向かって左側には5種類のポートが並ぶ。HDMIや映像出力可能なTypeC端子が用意されているのはうれしいし、QC3.0対応のフルサイズUSB3.0ポートの存在も、スマホの電池が切れそうなときには強い味方になってくれそう。
対して右側は簡素に、2個のUSB3.0ポートとmicroSDカードリーダーが並ぶ構成。左右にUSBポートが配置されているのはとても使い勝手がよくて嬉しいのだが、個人的にはなぜフルサイズSDカードリーダーを搭載していないのだろうかと気になってしまう。アクションカメラはさておき、一眼レフではSDカードをバリバリ使うので、ここは普通にSDカードリーダーであってほしかった。別にカードリーダーを使えばいいのだけど…。
M.2 NVMe SSD搭載で爆速
PS63 ModernにはM.2 NVMe SSDが搭載されている。ざっくり言えばSSDの中でも読み書きがかなり速い種類のものなのだが、実際にCrystalDiskMark6で測ってみると、ノートPCとしてはかなり高い速度が計測された。実際にPCの初期設定をしているうちにいくつも行うソフトウェアのインストールやちょっとしたファイルのコピーなどをしていると、妙に動きが速いな~という実感がある。動作はかなり快適だ。
画像や動画の編集をしてもへこたれないパフォーマンス
試しにAdobeの動画編集ソフトPremiere Pro CCで1分ちょっとの動画を編集してみた。フルHDで60fpsの動画なのでそこそこの容量があるのだが、編集中の動作は快適そのもの。H265でエンコードしてかかった時間は3分だった。これなら十分なスピードがあるといってもいいだろう。
ちなみにエンコード中にほかの作業をしようとすると動きがぐっと重くなった。この辺は8GBモデルなので仕方がないのかもしれない。そもそもPremiere Proが重たいソフトウェアだということもあるが、さらにサクサクに動かしたい人は16GBモデルを選択したほうがいいかも。
電池消費は悪くない
電源コードを抜いてネットサーフィンやこの記事の執筆、上にある動画編集などの作業を1時間ほど行ったが、100%充電されている状態から85%まで電池が減った。動画編集なんて言うわりと重ための作業をしたときはさすがに電池の減るスピードが速くなったが、普通に文章作成やネットなどを行っている範囲であれば電池の持ちはかなりよさそう。作業内容にもよるが、日帰りで仕事をするのであればACアダプターは必要ないかもしれない。
冷却ファンの音は気にならないレベル
動画編集などをゴリゴリしていくと冷却ファンが駆動しだす。キーボード奥側から斜め上に吹き上げるように排熱口が設けられているので、なぜか画面を温めてくれるおまけつきだ。冷却ファンの駆動音は全く聞こえないほど静音というわけではないが、よほど静かな環境でない限り気になるレベルではない。そもそも普通にネットサーフィンや文章作成をしている程度であれば、ファンが動くことはほとんどない。
ちなみに冷却ファンが回るころにはキーボードもそこそこホカホカな状態になっている。夏場の屋外だと少ししんどそうな気がしなくもない。
軽さ・薄さ・画面サイズ・スペック 全てを求めるクリエイター向けPC
というわけでMSI PS63 Modernは、求めるスペックに対して軽さや薄さ、画面サイズをぎりぎりまで両立させてくれているノートPCだと思った。この手のものはどうしてもどこかが妥協されてしまって中途半端なものになりがちだが、もうちょっと軽くならないかなと思う点と、不思議キーボード配列、フルサイズSDカードリーダー非搭載以外に、僕としては不満なところはない。省電力化と電池容量のバランスも良く、日帰りの出張などであればACアダプターも不要なぐらい持ちがいいのも嬉しい。そして何より見た目がかっこいい。
- 出先でも広い画面を生かしてゆったりと作業したい
- GPUの支援を受けてサクサク動画や画像の編集を行いたい
- 荷物は増やしたくないから薄くて軽いPCがいい
そんなわがままなクリエイターの要望を満たしてくれるニッチなノートPCであるPS63 Modern。これさえあれば、僕も出先でかっこよく効率的に作業できるような気がしてきた。
バックパックがもらえるキャンペーン中
MSIでは「春の新生活応援キャンペーン2019」と題したキャンペーンを2019年5月12日まで開催中。対象のノートPCを期間中に購入し応募すると、PS63の場合はバックパックがもらえるそうな。
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