動画視聴するうえで意外と重要なのが音。喋っている人の声が聞きづらいと思っただけでその動画が不快に思えてきたりする。カメラ内臓のマイクの性能はもちろん、カメラに向かってハキハキと喋れる人が被写体とは限らないので、機材側で工夫するほうがずっと楽。
というわけで僕はSYNCOのワイヤレスマイクを使っていたのだけど、もっと機材をコンパクトにしたいという欲求が湧いてきた。というかDJI Osmo Pocket 3やAction 5 Proなどのカメラと直接繋がってほしい。一眼カメラに付けるときも簡単にしたい。
DJI Mic Mini

というわけで買ったのがDJI Mic Mini。Pocket 3とかAction 5 Proに直接無線接続できるってだけで最高。僕は完全にDJI OsmoAudioエコシステムに囚われている。
DJI Mic 2とめちゃくちゃ悩んだが…
このマイクを検討している人はDJI Mic 2とどっちが良いのか悩みに悩んでいると思う。僕もかなり悩んだ。何ならPocket 3はクリエイターコンボで買ったのでMic 2は単体で1つ持っているだけあって余計に悩んだ。
基本的に「音を録る」部分の性能はMic 2の方がMic Miniより良いのだが、僕は携帯性を大きく重視している。後述するがDJI Mic Miniはケース内に必要なものがすべて収納できるという利点があり、僕にとってこれが最大の決め手となった。
もちろんDJI Mic Miniの方が値段が安いのもある。でも最近値落ちしたからMic 2でも良かったなと思ってたりもするが…。

内容物

内容物は以下の通り。
- Mic Mini トランスミッター ×2
- Mic Mini マグネットクリップ
- Mic Mini レシーバー
- Mic Mini レシーバー用Type-Cアダプター
- Mic Mini 充電ケース
- 灰色のウィンドウマフ ×2
- 黒色のウィンドウマフ ×2
- 3.5mm AUXケーブル
- 充電ケーブル
- 収納ポーチ
- 取扱説明書

充電ケースの中にあらかじめMic Mini本体などが収納されている。
スペック
一般(マイク性能)
極性パターン | 無指向性 |
周波数応答 | ローカット オフ:20 Hz~20 kHz ローカット オン:100 Hz~20 kHz |
最大音圧レベル(SPL) | 120 dB SPL |
最大入力レベル(3.5 mm) | – |
等価ノイズ | 24 dBA |
モニターインターフェース出力電力 | – |
最大伝送距離 | 400 m 障害物や干渉のない開けた環境で測定された値であり、あくまで参考用です。 |
DJI Mic Mini トランスミッター(マイク本体)
モデル | DMMT01 |
サイズ | 26.55×26.06×15.96 mm(長さ×幅×高さ) |
重量 | 約10 g(クリップマグネットを除く) 実測10g(クリップマグネット除く) 実測14g(クリップマグネット含む) 実測15g(マフとクリップマグネット含む) |
無線モード | GFSK 2 Mbps |
Bluetoothプロトコル | Bluetooth 5.3 |
バッテリータイプ | Li-ion |
バッテリー容量 | 114 mAh |
バッテリー電圧 | 3.87 V |
充電温度範囲 | 5℃~45℃ |
動作環境温度 | -10℃~45℃ |
充電時間 | 約90分 |
駆動時間 | 約11.5時間 ノイズキャンセリングをオフにしたDJI Mic Mini(TX×1+RX×1)を使用して、干渉のない近距離での音声録音中に測定した値。トランスミッターをレシーバーに接続し、レシーバーはカメラ音声ケーブル(3.5 mm TRS)でカメラに接続。 |
DJI Mic Mini レシーバー
モデル | DMMR01 |
サイズ | 46.50×29.61×19.32 mm(長さ×幅×高さ) |
重量 | 約17.8g(インターフェースカバーを含む) 実測18g(インターフェースカバーを含む) |
無線モード | GFSK 2 Mbps |
Bluetoothプロトコル | Bluetooth 5.3 |
バッテリータイプ | Li-ion |
バッテリー容量 | 170 mAh |
バッテリー電圧 | 3.87 V |
充電温度範囲 | 5℃~45℃ |
動作環境温度 | -10℃~45℃ |
充電時間 | 約100分 |
駆動時間 | 約10.5時間 ノイズキャンセリングをオフにしたDJI Mic Mini(TX×1+RX×1)を使用して、干渉のない近距離での音声録音中に測定した値。トランスミッターをレシーバーに接続し、レシーバーはカメラ音声ケーブル(3.5 mm TRS)でカメラに接続。 |
DJI Mic Mini 充電ケース
モデル | DMMC01 |
サイズ | 96.10×41.00×59.35 mm(長さ×幅×高さ) |
重量 | 約139g(充電ケースのみ) 実測g(充電ケースのみ) |
バッテリータイプ | Li-ion |
バッテリー容量 | 1950 mAh |
バッテリー電圧 | 3.87 V |
充電仕様 | 最大5 V、1.5~2 A |
充電温度範囲 | 5℃~40℃ |
動作環境温度 | 5℃~45℃ |
充電時間 | 約2時間 |
トランスミッターとレシーバーの充電サイクル | トランスミッター2台とレシーバー1台を同時に充電する場合、フル充電済みの充電ケースで約3.6回フル充電できます。 |
スペック上で特筆すべき点は以下の通り
- 最大伝送距離が脅威の400m
- マイクの動作時間が約11.5時間
- レシーバーの動作時間が約10.5時間
- マイクが超小型軽量
400mの最大伝送距離が嘘かホントかはさておき、それほど長大な距離まで伝送できる接続性の高さはすごい。ワイヤレスマイクで一番怖い、音が録れてないという悲劇は極力防げるはず。
マイクとレシーバーの動作時間が10時間超えと超長いのも非常に良い。僕の撮影する範囲であれば、1日中電源をつけっぱなしにしておいても問題ないレベルだ。
マイクにマグネットクリップとウィンドウマフを取り付けた状態でも実測15gしか無いのもすごい。手で持つとわかるが異常なまでに軽くて小さい。いつか無くしそう。
超小型のマイク

そんなMic Miniを手で持つとこんな感じ。本当に小さい。小さすぎて不意に電源ボタンや接続ボタンを押してしまう。小さすぎるのも考えもの。

そんな電源ボタンと接続ボタンは本体正面から見て右側にある。接続ボタンの上には接続状態を示すLEDがあり、上面にはマイクが備わる。

反対側の上部には録音状態を表示するLEDがあり、底面には充電用の接続端子が備わる。

裏面はクリップになっていて、そこにマグネットがくっつくようになっている。クリップで引っ掛けてもよし、マグネットで服などに挟んでもよし。取り付け自由度はかなり高い。

DJI Mic 2と比べてもこの小ささ。圧倒的に軽いため服に付けても重さでシワが寄ったりしないほどだし、小さいのでほとんど意識に入ってこない。
ただしDJI Mic 2に搭載されているバイブレーション機能は無い。Mic 2のバイブレーション機能は電源ON/OFFや録画開始/停止が結構わかりやすくて好きなので、個人的にこれが無いのはちょっとさみしい。
DJIのロゴだけが鈍い銀色に輝いているので、ここは黒いテープなどで適当に隠してあげたほうが使い勝手は良い。ロゴとか気にしないのであればそのままでもOK。


設定にもよるが、レシーバーの電源ボタンを1回押すと左側のLEDランプが黄色に光り、ノイズキャンセリングが有効になる(標準状態はノイズキャンセリング無し)。
ただしレシーバーに2台接続している場合は両方ともノイズキャンセリングが有効になる。レシーバー接続時は「1台は無効、1台は有効」という設定にはできない。
レシーバーも小さい

レシーバーもものすごく小さくて軽い。ちょっと軽すぎてちゃちな印象すらある。


レシーバーは上部の「1」「2」と書かれたLEDで接続状態を確認できる。接続はレシーバーのAUX端子側にある接続ボタンと、マイクの接続ボタンを長押しすればOK。正常に接続されたらLEDが緑色に点灯する。
裏面にはクリップがあり、カメラのコールドシューなどに取り付けることができる。
充電ケースに入れればレシーバーとトランスミッターは自動で接続される。
ただし僕が試してみた限り、Pocket 3やAction 5 Proと接続したら、その後充電ケースに収納してもレシーバーとの連携が切れた状態になってしまう。逆にDJIカメラと接続しているマイクをレシーバーと接続すると、DJIカメラとの連携が切れてしまう。ここは注意が必要。
レシーバーのゲイン調整は
- +12
- +6
- 0
- -6
- -12
の5段階。あまり細かく調整できない上に、マイク1マイク2でそれぞれのゲイン調整ができない点にも注意が必要。そこが欲しい人はDJI Mic 2を買ったほうが良い。
割と高機能な収納ポーチ

付属の収納ポーチはおまけ的なものだろうと思っていたのだが、これがなかなか良くできている。充電ケースが収まるのはもちろん、充電ケーブルや予備のウィンドウマフ、それ以外にも多少の小物を入れるスペースや小分け袋まで用意されている。
ただ、後述する理由で僕はこれを使っていない。
充電ケースの使い勝手が良すぎる

Mic Miniの充電ケースが非常に良くできていて、蓋を開けたらその時点でマイクとレシーバーの電源が入るようになっている。他のカメラやスマートフォンと接続されてない場合、ケースから取り出したときにはレシーバーとトランスミッターが即接続されるのは、実用上とてもありがたい。

さらにこのケース、マイクにウィンドウマフを取り付け、さらにレシーバー用のAUXケーブルを入れた状態で蓋が閉まる。当然マイク用のマグネットクリップも取り付いている。それはすなわち、色違いのウィンドウマフや充電ケーブル以外のすべてがここに収まるということ。
…収納ポーチの使い所が無いほどよくできている。

これ一つ持っていれば、ワイヤレスマイク関係は他には何もいらない状態。僕が求めているのはこういうこと。特にウィンドウマフなんてつけっぱなしにするに決まっている。DJI Mic 2の充電ケーブルはウィンドウマフ付きでは収納できないらしく、そこが僕が一番懸念したポイントだった。
もしMic 2の充電ケースで同じことができたらそっちを買ったと思う。それぐらい一つにまとまることのメリットは僕にとって大きい。
各種接続方法
DJI Mic Miniトランスミッターの接続先は以下の3つ。
- Mic Miniレシーバー
- DJIカメラ(Action 5 ProやPocket 3など)
- スマートフォンとBluetooth接続
DJI Mic Miniのレシーバーとトランスミッターの接続

DJI Mic Miniのレシーバーとトランスミッターを接続する場合は、
- 充電ケースに入れる
- レシーバーとトランスミッターの接続ボタンを2秒間長押しする
のいずれかの方法で接続できる。LEDが緑に光ったら接続されている証拠。
ただし他のDJIカメラやスマホとトランシーバーが接続されている場合は充電ケースに入れてもレシーバーと自動接続してくれないので、接続ボタンを押す必要がある。

この状態なら一眼カメラとレシーバーを接続したり、

スマホとレシーバーを有線接続して、Mic Miniトランスミッターをマイクとして使用可能になる。
スマホとレシーバーが接続されているときは、DJI Mimoアプリ内で各種設定を変更できる。
DJIカメラとトランスミッターの接続

Osmo Action 5 ProやOsmo Pocket3などのDJIカメラとの接続も簡単。
- DJIカメラ内で設定→ワイヤレスマイクに進む
- TX1またはTX2を選択
- カメラが接続画面になる
- トランスミッターの接続ボタンを2秒長押しする
- 数秒後にはカメラとトランスミッターが接続される
DJIカメラと接続されているときはLEDが青色に光る。


DJIカメラと接続しているときは、DJIカメラ内でマイクの各種設定やノイズキャンセリングのオン・オフ、ゲイン調整が可能になる。
DJIカメラとの接続時が最も細かくマイクの設定を調整可能になる。
ゲイン調整は-12~+12まで1段階ずつの25段階調整。
ノイズキャンセリングはオフ・低・高の3種類。
2台のマイクでそれぞれ独立してゲイン調整とノイズキャンセリングを調整できる。
DJIカメラと接続されているトランスミッターの接続ボタンを押すと、録画の開始・停止を遠隔操作できる。ただしDJIカメラが起動している場合にのみ使える。
トランスミッターとスマホのBluetooth接続
トランスミッターをスマホと直接Bluetooth接続することもできる。

普通にスマホにガジェットを接続するときと同様に、
- スマホのBluetooth→「新しいデバイスとペア設定」を選択
- Bluetooth接続画面にする
- トランスミッターの接続ボタンを2秒長押しする
- スマートフォン上にトランスミッターの名前が現れる
- トランスミッターを選択する
これでMic Miniをスマートフォンで直接マイクとして使えるようになる。
ただしスマホと接続できるトランスミッターは1つだけ。ワンプリングレートは48kHzから16kHzに制限され、これで録音できる対応アプリも限られている。
注意:レシーバーとスマホのBluetooth接続は機種によってはできない?
実はDJI Mic MiniのレシーバーはスマホとBluetooth接続できる。DJI Mic Miniビギナーガイドによれば、
- レシーバーの電源をOFFにする
- レシーバーの電源ボタンを6秒長押しし、青色LED点滅状態にする
- スマートフォンのDJI Mimoアプリを開き、レシーバーと接続する
という手順を行うと、スマホとDJI Mic MiniレシーバーがBluetoothで接続でき、そこで各種設定が可能とされている。
が、僕のスマートフォン(Google Pixel 7a)だとなぜか通常のBluetooth接続はできても、DJI Mimoアプリで認識させることができなかった。DJI Mic Mini – 対応モバイル端末リスト v1.0にはGoogle Pixel 7aが載っていないのでそのせいかもしれない。
もしこれができれば、一眼カメラとレシーバーを接続している最中も設定を変更できるかも。
注意:Mic MiniレシーバーとMic 2は接続できない

もしかしたらできるんじゃないかと思って試してみたが、Mic MiniレシーバーとMic 2は接続できなかった。残念。
Mic 2用にレシーバーが欲しい人は素直にMic 2レシーバーを買いましょう。
一眼カメラとの接続時の音量設定

一眼カメラと接続時は、DJIによる推奨の音量設定が存在する。
メーカー | カメラの音量レベル設定 |
---|---|
Sony | 音量ボリュームを1dBに設定 |
Canon | 音量レベルをマニュアルにして、左から1/4の音量レベルにする |
Nikon | マイク感度を3付近にする |
Fuji | マイク入力にしてマイク音量を約-28.5dBにする |
Panasonic | 録音レベルを-12dB付近にする |

さらにカメラの音量レベルを調整した後は、レシーバーのゲイン調整を少し上げる(+6など)。
基本的にカメラの音量レベルを下げて、レシーバーのゲイン調整を上げたほうが音質が改善されるとのこと。ノイズキャンセリングの有無はトランスミッター側で調整する。

適切な音量かどうかは一度適当に録画してみるか、あるいはカメラにイヤホンを接続して確認する。
DJI Mimoアプリでの設定
Mic Miniはトランスミッターもレシーバーも非常にシンプル。DJIカメラにトランスミッターを接続した場合を除き、設定は基本的にスマホアプリ「DJI Mimo」で行う事になっている。
トランスミッターの設定
トランスミッターとスマホを直接接続したときに使える設定は以下の3つ。

- 自動オフ
15分間接続されなかった場合に自動で電源をOFFにするかどうか - ノイズキャンセリング用電源ボタン
電源ボタンをノイズキャンセリングON/OFFの切り替えボタンとして使うかどうか - マイクLED
OFFにするとトランスミッターのLEDが電源ON状態でも消灯する
個人的には自動オフだけ無効にして、あと2つは有効のままでOKに思う。暗い場所やLEDの明るさがじゃまになるような場面ではマイクLEDをOFFにしたほうが良いかも。
レシーバーの設定
レシーバーをスマホと接続すると、様々な設定項目が出てくる。


ノイズキャンセリングはベーシックと強の2つしか選べない。OFFにできない点は注意が必要かも。
オーディオチャンネルをモノラルにすると、セーフティトラックが選べるようになる。セーフティトラックをONにすると、大きすぎる音量に対応するためのトラックが増える。
あとはローカット、自動オフ、カメラの自動オン/オフ、クリッピングコントロールが存在。トランスミッターの設定もここでできる。
クリッピングコントロールは不意に大きな音が入った場合に音量を自動調整する機能。Mic MiniはMic 2と違い32bitフロート収録ができないのでONにしておくほうが良い。
DJIカメラとの接続時と異なり、2つのトランスミッターに対して独立した調整ができない。
DJI Mic Miniの音質について

DJI Mic MiniとMic 2の音質を比較する。両方ともDJIカメラに接続した状態で音声収録を行った。
ノイズキャンセリング OFF
ノイズキャンセリングOFFのときの音質は、若干違うが大きな差は無い。どちらもBluetooth接続のマイクらしく、コンデンサーマイクのような繊細な表現こそないが、わざわざ外付けマイクを使うに値するだけの音質向上が見込める。あまり音のしていない静かな部屋の中で人の声を収録する場合において言えば、どちらが良いかはほぼ好みの問題に近い。
細かく見ていくと、Mic Miniは人の声の帯域にフォーカスしている感じがする。音楽を録音してみて感じるのは、中高音域は違和感が無いが、特に低音域はちょっと物足りなさを感じる部分がある。
逆にMic 2はかなりフラットに音を捉えている印象。全部の音を同じようにまんべんなく拾っているような感じがする。故に人の声が一歩引いているような印象が若干ある。
人の話し声を録る場合に限って言えば、Mic Miniの方が人の声がはっきり伝わるように感じた。
車やバイクのエンジン音といった極端に大きい音や低い音に関しては、Mic 2に明らかな優位性がある。32bitフロート収録機能の有無もあるが、そもそもきれいに録れる音域がMic Miniの場合は少し合っていないように思う。
ノイズキャンセリング ON
Mic 2のノイズキャンセリングはONかOFFの二択だが、Mic MiniはOFF・低・高の三択。スピーカーからレーシングカーの走行音を流しながら喋ってテストした。
Mic Miniのノイズキャンセリング低のときは、人の声がかなり自然に近い印象。ノイズが消えているわけではないが、違和感のない程度にノイズの音量が小さくなっている。話し声を邪魔しない程度にノイズを小さくしてくれているような感じ。
Mic Miniのノイズキャンセリング高のときは、低のときよりも環境音が小さくなった。人の声は割と自然なままを維持しているが、その代わりノイズの方が加工した感じが出てきて違和感を覚えた。
Mic 2のノイズキャンセリングは少し極端で加工した感じが否めなかった(ファームウェアバージョンv03.xx)が、最新ファームウェア(v04.05.01.11)ではかなり処理が自然になった。人の声を持ち上げつつ、適度にノイズ音量を抑えてくれる印象。ノイズの音量はMic Miniの高モードに近いが、ノイズの違和感は少ない。
最新ファームウェアのMic 2のノイズキャンセリングの方が、Mic Miniの高モードよりもノイズ除去という点で優秀に思える。ただし適度に環境音を含ませたい場合はMic Miniの低モードも悪くないというか、かなり使える印象。
注意:手で持つとノイズが入る

Mic Miniで明らかに気にあるのは、トランスミッターを手で触ると、僅かだが明らかに筐体と指が触れていることに起因するノイズが入ること。Mic 2は手で持ちながら収録しても何の問題もないが、Mic Miniは手で持ちながら使うのには全く向いていない。
Mic Miniはピンマイクとして使うことを前提に設計されているので、手持ちで使うことは想定されていないのだろう。この点は実用するうえで注意しておいたほうが良い。

インタビューとかに使う場合はこういう製品と組み合わせたほうが便利かもしれない。
他のワイヤレスマイクとの比較
試しに今まで使っていたSYNCOのワイヤレスマイクと並べてみるとこんな感じ。

DJI Mic Miniの小ささが際立つ。レシーバーとマイクだけ並べてもこの違いだが…

実際の撮影時に必要なものを並べると、ここまでの差がある。SYNCOのときに使っていたピンマイクやAUXケーブル、充電ケーブルまで入れると、とにかくかさばって仕方がない。
これがMic Miniなら充電ケースにすべて収まっている。この携帯性の良さはもはや感動的。この時点で買ってよかったと本気で思った。

GoPro HERO 9 Blackにワイヤレスマイクを取り付けた場合と、DJI Action 5 Proにワイヤレスマイクを接続した場合を比べてみるとご覧の通り。機材の簡略化と取り回しの良さ、軽量さがすごい。
Mic Miniの良いところ・悪いところ

DJI Mic Miniの良いところ・悪いところをまとめるとこんな感じ。
- 長時間駆動&長距離伝送
- 圧倒的な小型軽量さ
- 充電ケースに必要なものがすべて収まる
- DJIカメラ接続時の自由度の高さ
- スマホや一眼カメラと組み合わせても使える
- 人の声をしっかり録れるマイク特性
- 接続方式によってできること、できないことが違う
- 接続先を変えると以前の接続先との連携が切れる
- レシーバー接続時に2台それぞれのマイクのゲイン調整ができない
- 大きい音や低い音を録りたい場合はあまり向いていない
- 手で持つとノイズが入る
僕が一番気に入ってるのが小型軽量さとケースにすべて収まる収納性。またDJIカメラと連携させたときの圧倒的な機材の簡略化は素晴らしい。当然と言えば当然だが、DJI製品と組み合わせたときにフルパワーを出せるように設計されているので、その時が一番使い勝手が良い。
対して今一つなのがレシーバー接続時。微妙にできることが違ったり、特に一眼カメラとの連携時は設定がどうなっているのか把握が難しい部分もある。スマホと直接接続もできるが音質劣化があるので、スマホ接続時もレシーバーと併用するほうが良い。
Mic Miniを買うべき人・買わないほうがいい人

というわけで個人的に思うMic Miniが合う人と合わない人はこんな感じ。
Mic Miniを買うべき人
- DJIカメラを持っていて、組み合わせて使いたい人
- とにかく機材をコンパクトにしたい人
- 人の話し声を録音したい人
- レシーバーを使用する予定がない人
- 難しいことを考えずにスマホや一眼カメラと組み合わせたい人
Mic Miniを買わないほうがいい人
- DJIカメラを持っていない・購入予定がない人
- 爆音や強い低音を積極的に録音したい人
- 細かく設定を詰めたい人
- 一眼カメラをメインに組み合わせたい人
個人的にはDJI Mic Miniを買った事自体は全く後悔していないし、普通に使う分には何ら支障がないのでむしろ満足している。ただやはり、レシーバー使用時にもう少し設定を詰めたいと思ったときにできないのは残念。そういう点ではDJI Mic 2の方が合っていたのかもしれない。
しかしこの金額で高性能なワイヤレスマイクが手に入るのは魅力的だし、DJIカメラと組み合わせると本当に快適な撮影環境が揃うのが嬉しい。DJIのカメラを持っていてワイヤレスマイクを検討している人であれば「買い」なのは間違いない。

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