Anker Soundcore 3:少しこもり音が気になるがコスパはいい!屋内外で使えるポータブル防水Bluetoothスピーカー【レビュー】

ガジェット

N100搭載ミニPCに使うスピーカーと、何なら垂れ流し用にラジオがほしいなと思って探していたのだが、ラジオ付きスピーカーって案外いい値段するのしか世の中に存在しない。中華の謎ブランド品なら安価な製品があるにはあるのだが、使用場所がそこそこの田舎でラジオ電波が弱いため、安ラジオだと結局聞けない落ちになりがち。ホントはマキタのラジオが欲しかったが、割と高いので諦めた。

じゃあラジオはインターネットラジオサービスのradicoで代用するとして、持ち運びに便利そうなBluetoothスピーカーにしてみよう。そして選んだのがこれ。

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Anker Soundcore 3

AnkerのSoundcore 3。通常販売価格は6000円ぐらいだが、ちょうどプライムセールで5000円しない価格で購入できた。

  • Soundcore3本体
  • 充電ケーブル(USB A to Type-C)
  • 持ち運び用の紐
  • クイックスタートガイド
  • 注意事事項

とシンプル。詳細な取扱説明書は付属しておらず、WEBやアプリで確認する方式。取扱説明書が付属してないのはあんまり好きじゃない。

Soundcore3のスペック

メーカーAnker
モデルSoundcore3
グレー/ネイビー/ブラック/レッド
本体サイズ(実測)横17.4cm×高さ5.7cm×奥行き6.0cm
重量(実測)506g
DC電源入力5V-2A
USB Type-C
バッテリー容量6700mAh
オーディオ出力8Wスピーカー×2=16W
充電時間約4時間
再生可能時間最大24時間
防水規格IPX7
通信方式Bluetooth5
Bluetooth動作範囲20m
コーデック不明
周波数不明
感度不明
インピーダンス不明
音声入力Bluetoothのみ
AUX無し
Soundcoreアプリ対応
イコライザー設定Soundcoreアプリで可能
発売年2020

Soundcore3はAnkerの防水bluetoothスピーカーとしては割と売れ筋なのだが、未だに初代Soundcore3と2代目Soundcore2が併売されてたりする。当然最新型のSoundcore3が一番性能がいいのでこれを選んだのだが、Soundcore2からAUX端子が省かれているなどの違いがある。

個人的に防水性能はどうでもいいのだが、屋外や少し広めの室内で音楽を流したかったので、Soundcore2の12Wよりも高いオーディオ出力16Wが魅力に感じた。オーディオコーデックを発表してない辺りからあんまり音質的には期待できなさそうな雰囲気はあるが…。

重量は公表500gの実測506gだった。スピーカーとして考えると割と軽い感じがする。

コンパクトで落ち着いた見た目がかっこいい

Soundcore3は全体的にマット塗装されており、高級感こそ無いものの安っぽさもそんなに無い。正面のSoundcoreロゴや、メッシュの奥に見えるアイコンやスピーカーが控えめに主張していて良い感じ。

正面から見て右側にはアクセサリーケーブルを通す用の穴がある。付属の靴紐みたいなケーブルが通るぐらい穴は大きめなので、好きなケーブルを使えるはず。

左側にはUSB Type-C端子が一つだけ。完全に充電用。

裏面にはバスレフダクトと思われる穴が空いている。

上面には左側から

  • 電源LED
  • 電源ボタン
  • 音量ダウンボタン
  • 多機能ボタン
  • 音量アップボタン
  • Bluetooth/PartyCastボタン
  • Bluetooth/PartyCast LEDインジケーター

が並ぶ。

電源ボタンを押せば起動し、2秒長押しすれば電源オフに。音量アップ/ダウンボタンは言うまでも無い。多機能ボタンは音楽の再生/停止の他に、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し、また電話の着信応答などが可能。

この動作から分かるように、Bluetoothイヤホンとほぼ同じの挙動をする。というか多分Bluetoothスピーカーの中身をそのまま使ってると思われる。

IPX7の防水性能

Soundcore3の防水性能はIPX7。塵に強いかどうかは不明だが、少なくとも水深1mのところに30分間沈めても問題なく動作する性能がある。なのでお風呂場はもちろん、キャンプなどのアウトドアシーンでの使用にも十分耐えられるはず。

後述するが最大音量はかなり大きい音が鳴らせるので、屋外での使用に向いている。

Soundcoreアプリからイコライザー設定などが可能

Bluetoothボタンを押せば即座にスマートフォンやDAP、PCと接続ができた。

スピーカーとして使うだけなら不要だが、Soundcoreアプリをスマートフォンにインストールすれば、イコライザーなど各種設定が可能。地味にオートパワーオフまでの時間を標準の30分から60分まで伸ばせるのが嬉しいかもしれない。でもアプリの仕様に会員登録が必要なのはダルい。

ちなみにスピーカーの電源ON/OFFに対しての接続速度も非常に速く、動作はとても快適。各ボタンの応答性も速く、基本的な動作部分に関しての完成度はかなり高い。

コーデックはSBCのみ

Soundcore3で残念だな~と思ったのは通信コーデック。DAPで確認した限り、Bluetoothの標準規格であるSBCコーデックにしか対応していない。せめてAACとaptXぐらいには対応していてほしかった。

ただし通信強度の強さは半端なく、壁一枚隔てて10m以上離れてみても全く音が途切れなかった。

音質:かなり低音の聞いたドンシャリ 防水スピーカーなので音のこもりが少し気になる

標準状態のSoundcore3の音質は典型的なドンシャリ。特に標準ではBASS UPがONになっていることもあって低音の主張がかなり強め。持ち運び可能で屋内外での使用を想定すれば、これぐらい低音が響いてくれると楽しい。ただ防水スピーカーなこともあるためか、全体的に音が少しこもり気味に感じる。耳に刺さるような高音は無く、低音は強いが優しいウォーム系サウンド。

ボーカルなどの中音域は引き気味で、特にこの帯域の音が強くこもって聞こえる。高音域も合わせて解像度が低い感じで、もうちょっとパキッとはっきりした音を鳴らしてほしいなというのが正直な感想。高音域になると少しキレが良くなってはくるが、もう一歩はっきりした感じが欲しい。

当然筐体が小さいので左右の分離感はあまり感じられない。少し離れた距離から大きめの音にすればそれっぽくなるが、音を大きくしていくとスピーカーの元の性能が気になってくる…。ただ音量最大はかなり大きい音が鳴らせるので、屋外だとそんなに悪くない。

ただ値段を考えればこんなもんじゃない?とは思える妥当な音色。というか、何も考えずに聞く分にはちょっと籠もってる以外に不満はないし、部屋全体に広く音を届けてくれる性能は僕が求めていた通り。

イコライザーで中高音域を持ち上げると多少改善はされるものの、全体的な傾向は変わらず。あんまり難しいことを考えずに、気軽に持ち運ぶスピーカーとして見れば低音ずんずん系の楽しい音作りでいいと思う。

実際のところ普段のメインスピーカーがBose SoundLink Mini Bluetooth speakerなので、これと比べてしまうとどうしても気になるポイントが出てくるだけ。でもBluetooth操作系の完成度は圧倒的にSoundcore3のほうが高い。

音の遅延は若干あるが、動画視聴ぐらいならギリ気にならないレベル

Bluetoothスピーカーで気になるのは音の遅延。SBC規格なので遅延はそれなりにあるが、試してみた限り動画視聴ぐらいならそこまで気になるレベルではなかった。ただ状況次第で遅延が大きくなるので、そういう時はちょっと気になる。めちゃくちゃ音ハメされてるミュージックビデオとかだと音ズレがはっきり分かる…。

試しに音ゲーもやってみたが、こっちは全く無理。体感的に0.1~0.2秒ぐらいはずれているので、音と画面があっていないことを実感させられる。

まぁ持ち運びスピーカーという製品上、音楽の再生が基本で、作業などに使うことは想定していないと思うので仕方がない部分ではあると思う。

屋内外で広く音を届けられる、使い勝手の良いBluetoothスピーカー

音質の部分で多少酷評はしたが、全体的な完成度はさすがAnkerといった感想を覚えた。特に基本動作に関してはめちゃくちゃに快適で、Soundcoreアプリなんて全く不要でサクサク誰でも使える。電源をONにすれば即座にスマホに繋がるし、通信強度はめちゃくちゃに強い。

Soundcore3は、音に拘るオーディオオタクを唸らせるような音質こそ無いものの、一般的に見れば十分高音質なスピーカーだと思う。手軽に持ち運べるサイズ感でありながら大音量が出せるし、広い空間に音を届けられる性能がある。据え置きのスピーカーとしても、持ち運びのスピーカーとしても重宝するだろう。

せめてもうちょっと解像感が高い音だったら…とは思うものの、音質なんて拘りだしたら青天井なので、そういう意味でもコスパのいい買い物したなと思った。

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