専用のACアダプターによる充電が必要だったノートパソコンは、近年USB TypeCポートによる充電に置き換わってきた。それによりUSB充電器もどんどんと高出力が必要になってきたのだが、2021年についにAppleが140W出力のUSB充電器を発表、超急速充電時代に突入した。
というわけで各サードパーティーからもそれに準拠した充電器が登場してきた。今回はKOVOLからの提供を受け、140W出力を誇るUSB急速充電器のレビューを行う。
KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140W
KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140Wは、その名の通り最大140W出力を持つUSB充電器で、2022年10月末に発売したばかりの新製品。白いボディにUSB TypeCポートとUSB TypeAポートの2つのポートを持っている。付属品は取扱説明書(日本語あり)のみと極めてシンプル。
外観もマットホワイトなカラーで四隅の角が丸められたスッキリとしたデザイン。正面から見て左側面だけKOVOLの文字と下部が艶ありになり、ささやかにアクセントを効かせている。コンセントは折りたたみ式なのでカバンの中で引っかかることもない。
底面にはスペックなどの必要な情報が記載されている。
スペック
モデル名 | KV-PC019 |
インプット | 100-240V ~ 50/60Hz 1.8A Max. |
PDアウトプット | 5V⎓3A, 9V⎓3A, 12V⎓3A, 15V⎓3A, 20V⎓5A, 28V⎓5A, 140W Max. |
QCアウトプット | 5V⎓3A, 9V⎓2A, 12V⎓1.5A, 18W Max. |
PPSアウトプット | 5V-11V⎓3A, 33W Max. |
総合出力 | 140W Max. |
サイズ(実測) | 87×69×31mm, 300g |
ACアダプターと考えると妥当なサイズ感
細かいスペックはさておき、手に取った印象としては「そこそこのサイズでずっしりとした重量感」を覚えた。単なるUSB充電器としてみれば300gの重量も87×69×31mmのサイズもかなり大げさに思うが、ノートパソコン用のACアダプターだと思えば少しコンパクトな印象になる。GaN(窒化ガリウム)を使用しているだけあって出力の割にはかなり小さい。
実際に手持ちのMSI製ノートPC用ACアダプターと比べてみるとこんな感じ。充電器本体のサイズはMSIの方が小さいのだが、前後のケーブルがある分だけ持ち運び時はかさばる。MSI製ACアダプターはケーブル込みでの重量が340gだったので、ケーブルまで含めると重量的には変わりがない。
KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140Wは折りたたみコンセントなので小さいし、これ+USB CケーブルがあればOKと考えると持ち運びはかなり便利になる印象。まだUSB TypeC充電のノートPC持ってないけど…。
65W充電器(中央)や2.4A USB充電器(右)と比べると、USB充電器としては非常にサイズが大きいことが分かる。スマートフォンの充電だけしたいのであればこんな大袈裟なものは必要ないなぁという感じなので、「大は小を兼ねる」的な使い方をするのには向いていないかもしれない。
ちなみに最初に紹介したAppleの140W充電器が96 x 75 x 28mmで277gらしいので、KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140Wはそれよりもほんの僅かに小さく、少しだけ重たいということになる。
PD3.1、PSS 25W、QC3.0に対応
充電方式はPD3.1、PSS 25W、QC3.0に対応。PSSはあまり耳慣れない充電規格だが、PD3.0のオプション規格であり、サムソンのGalaxyシリーズに採用されているSuper Fast Charging 2.0が内容的にはPSSそのものらしい。要するにMac bookやiPhoneだけでなく、近年のGalaxyスマートフォン、その他同規格に準拠したノートパソコンやスマートフォンも急速充電できるということ。
USB Cポートだけを使った場合は最大140W出力、2ポートを使った場合はC端子が最大120W、A端子が最大18Wに振り分けられる。これだけパワーがあればスマートフォンとノートPCを同時に充電することができるので、ノートPCのACアダプターとしては十分すぎる出力だ。ちなみに140W充電に対応しているMac Book Pro 16インチ(2021年モデル)を30分で56%充電できるという。
壁に直刺しで使える安定感
KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140Wは縦長のデザインで、コンセントも上の方に設置されているため、壁に直刺ししたときの安定感は抜群。また下方向には場所を取るが、上側は十分スペースが開くのでコンセントを無駄に埋めることも無い。ただ壁に直刺し前提のデザインなので、ある意味設置場所が限られるといえば限られるのが難点かも。
電源を挿すと中央のLEDインジケーターが青く光るのだが、光り方はぼやっと弱く、あまり意識することはない。真っ暗な部屋ならもしかすると気になるかもしれないが、一般的に明るい部屋なら光ってることがあまり分からない程度の明るさなので視界のじゃまにならないのは嬉しい。
問題なく充電可能
手持ちで140W出力で充電できるようなガジェットがないので分からないが、少なくともGalaxy S10は急速充電モードで充電できるし、2ポート同時充電にも問題は無し。
この使い方だと発熱はほんの僅かに暖かくなる程度で、コイル鳴きなどの音も一切なし。さすがに140Wフルパワーで充電すればそれなりに暖かくなる
USB A端子の向きだけ気になる…
この充電器で一つだけ気になること、それはUSB TypeA端子の向き。
通常は右のAUKEYの充電器のように上にあるはずのバーが、KOVOLの充電器では下側に配置されている。このためUSBケーブルを刺す向きが上下逆になる。
どうせUSB TypeAを刺す時は常に上下がわからなくなってイライラするものなので別に大丈夫といえば大丈夫なのだけども、流石にデフォルトで逆なのは気になる。これだけは普通の向きに改良してほしい…。
ノートPC+スマホを同時充電できるUSB急速充電器
KOVOL 2ポートUSB急速充電器 140Wを使ってみたが、ノートPC用のACアダプターと考えると非常によくできていると思った。出力は十二分に高いし、2ポートあるのでスマホなどの充電も同時にできるのは便利に感じる。これさえあれば充電が切れそうなノートPCでも作業している間にフル充電にしてくれるだろう。
ライバル製品に比べて価格も抑えられてるので、とにかくハイパワーな充電器を安価に手に入れたい人におすすめできる一品だ。
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