GODOX V860ⅲ:ハイスピードチャージで連射に追従!TTLでのらくらく撮影可能な、間違いのないクリップオンストロボ【レビュー】

カメラ

写真を撮っていてストロボが必要になる時、僕は今まで激安ストロボのNEEWER TT560を使ってきた。クリップオンストロボとしてははっきり言って十分だし、極論暗いときの撮影で光ってくれればそれで良いので、「これでも割と事足りるな」と思っていた。

…のだが、最近はこれでは事足りなくなってきた。というよりも、「ストロボさえあればもっとうまく撮れるのに」というタイミングが自分の中で増えてきた、という方が正しい。

逆光や明暗差の激しい場所で一瞬を切り取りたいのに、乾電池式でチャージ速度が遅く、完全マニュアル制御のTT560では歩留まりがめちゃくちゃに悪い。もっと良いストロボが必要かもしれない。

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GODOX V860ⅲ

箱がベコベコなのはAliexpressで買ったから

そこで僕が買ったのが、GODOXのクリップオンストロボでは最上位機種となるV860ⅲ。Canon用なので正確にはV860ⅲcというモデル名となる。

本体と取扱説明書の他にも付属品が多数付いてきた。ディフューザーぐらいしか使わないと思うが…。

ちなみに中国から輸入してもちゃんと技適マークが付いていた。安心。

V860ⅲのスペック

サイズ実寸約190×75×59mm
重量実測530g
出力75W
色温度5300K±200K
電源7.2V / 2600mAh
リチウムイオン電池
最大出力での
発行回数
約480回
焦点距離20~200mm
TTL有り
リサイクルタイム約1.5秒
ワイヤレス制御ワイヤレスXシステム
送信範囲約100m
その他クイックリリースロック機能
モデリングライト搭載

魅力に感じた点

正直ストロボのことはよくわからないのであまり詳しくは語れないのだが、僕がV860ⅲcで魅力に感じたのは以下の点。

  • リチウムイオンバッテリーでチャージ速度が早い
  • TTLがついているので楽に撮影できそう
  • クイックリリースロックで脱着が簡単
  • 充電器が小型、USB-Cで充電できる
  • (この手のストロボの中では)比較的安価

僕の場合は「不意に訪れた瞬間で高速連写撮影する」ことが結構多いのだが、そういった場面では最初の一枚しかフラッシュが光っていない、なんてことが今まで多々あった。リチウムイオンバッテリーによる連射性能UPが欲しくて新しいストロボを検討したのは大いにある。

加えてTTLと焦点距離の自動調整機能があるので、いちいち明るさを調整しなくても(ある程度)適切な明るさで撮影できそうなところが良さそう。TTLの有無でかなり値段が変わるので、TTL無しのV850ⅲとめちゃくちゃ悩んだのだが、結局TTL有りモデルを買ってみた。

前モデルのV860ⅱからの進化として充電器の小型化、そしてクイックリリースロックがV860ⅲには存在する。脱着が早いに越したことはないし、何よりV860ⅱの見るからに大きい充電器を持ち運びたくない。V860ⅲの充電器は明らかに小型で軽量。カバンの隙間に適当に突っ込んでおけば、スマホと同じUSB TypeCで充電できるのが嬉しすぎる。

…できれば本体に直接USB-Cケーブルを挿して充電させてほしいところではあるが…。

多数の機能と設定項目

一番下のMODEボタンを押すと、ETTL→マニュアル→マルチとモードが切り替わる。各モード毎に明るさの調整や焦点距離の変更/自動化、ハイスピード発光モードなどの切り替えができる。

焦点距離を自動設定にすると、レンズのズームリングに合わせて「ウイーン」とモーターが動いて中の発光点が自動で移動するのが楽しい。APS-Cカメラだと焦点距離が1.6倍されてるからストロボ側も1.6倍で設定してほしいものだが、そこまでは対応してない様子。

一番右の通信ボタンを押すと、ワイヤレス送信モード、ワイヤレス受信モード、通常モードに切り替えができる。GODOXのシステムを使ったワイヤレスでのマルチ発光に使うモード切替だ。

また一番左のMENUボタンで、様々な切り替えが可能。設定項目が結構あるのでよく分かっていないが、ワイヤレスのチャンネル/IDの設定ぐらいで後は基本的にデフォルトのままでも良いように思う。

本体についているボタンでも(操作方法を理解すると)そこそこ操作性は良いのだが、カメラ側から「外部ストロボ設定機能」を使うとストロボを操作できたりもする。いちいちこの画面を呼び出すのが面倒だが、設定自体はこちらのほうが簡単に操作できて便利かもしれない。

AF補助光がある

モデリングライトが搭載されているV860ⅲだが、それとは別に赤いAF補助光も搭載されている。蜘蛛の巣のような無数の線がAFを押している間に数秒だけ出てくるので、カメラが迷わずピントを合わせてくれる。これかなり便利。

高速連写性能を確認

僕の一番気になっている高速連写性能を試してみる。マニュアルモードで光量は1/64、Canon EOS 90Dの高速連写モード(最大秒間10コマ)で30枚連続撮影してみた。

撮影順は左上→右下

ちょうど2枚に1枚のタイミングでストロボが発光していることがわかる。乾電池式のTT560ではこんなに長い間連射すると全く付いてこなくなったことを考えると驚異的。しかも後半になって追従しなくなる、なんて現象すら起きていない。

光量を1/1にすると、だいたいカタログスペックと同じ1.5秒ぐらいのチャージタイムが必要になるが、なかなか最大発光させることは殆どないので問題ない。

実際使ってみて良かったところ

連射性能がすごい

先述しているが連射性能がすごい。ストロボの特性上高速連写に完全に追従するのは不可能なのだが、この連射性能なら2枚に1枚は使える写真が撮れる。フル発光でもさせない限りチャージタイムで悩むことはまず無さそう。

TTLが便利

TTLに関しては確かに「常に自分の思っている明るさになるか?」と言われればそうでもないのだが、適当に何も考えずにシャッターを切るだけである程度まともな露出が取れるのはめちゃくちゃに楽。

じっくり構図と明るさ、光の加減を決める時間があるなら全く必要のない機能だと思うが、僕の場合はほとんどそうではないので、TTLに頼って撮影できるのは非常にありがたいと思った。

気になるのは絞り優先/SS優先モードを設定し、カメラ側で露出補正をしても、それに合わせた明るさにはならないこと。カメラ側の露出を+3とかにしても±0のときとほとんど変わらない明るさの写真が撮れる。そういうものなのかどうかがわからない…。

クイックリリースが便利

いちいちナットを回さなくても一瞬で脱着可能なクイックリリースがかなり便利。使いたいときにパッパとカメラに装着できるっていうだけストロボを使う気になれる。少し安いからと言ってV860ⅱを買わなくてよかったなと思った。

十分に明るい

75Wの出力があるので、直当てなら大抵の場面で使えるし、天井バウンス、壁バウンスでも十分な明るさが得られる。もちろんディフューザーを付けて光をコントロールして…なんて考え始めたら足りなくなってくる場面も出てくるだろうが、持ち運びを重視するクリップオンストロボにそこまで求めるのが間違ってる。

光の色合いや当たり方もよく、APS-Cカメラで撮影している範囲ではほぼ画角いっぱいまできちっと明るくなってくれる。

十分な容量のバッテリー

充電器の小型さに惹かれた部分もあるのだが、実際使ってみてもバッテリーの容量にかなり余裕があるのも嬉しい。僕の使い方であれば頻繁な充電も、予備もバッテリーも必要ないレベル。

乾電池式と違って手軽にバッテリーが手に入らない点はデメリットと言えるが、バッテリーを抜いた状態だと本体に穴が空くのでバッテリーの入れ忘れはほぼ確実に防げるはず。

実際使ってみてイマイチなところ

デカくて重い

実際のサイズではTT560より下回りが少し太いぐらいなのだが、それでもV860ⅲは結構大きく感じる。だからといってカメラバッグに収まらなくなるわけではないが…。

また実測530gの重量は、クリップオンでカメラに付けると結構ズシっとくる。慣れはするが、バッテリー込みのTT560より約110g重いのはちょっとびっくりした。短いレンズを付けるとアンバランスになるので、そこそこ重量感があるレンズと合わせるほうがしっくり来る。

操作系が理解できるまで若干難しい

ボタンがたくさんあるストロボを使うのがこれが初めてだというのはあると思うが、操作方法を理解するまでイマイチ使い方がわからなかった。光量調整すら最初はどうやるのかわからなかったぐらい。

分かってしまえばなんてことははないのだが、ワイヤレスモードへの切り替えが白いボタンなのに、通常モード切替が一番下の回転ボタンの中に組み込まれていたりと、なんか微妙に直感的じゃない。

ただ液晶のドットは十分に細かく、コントラストもハッキリしていて見やすいので、慣れれば普通に使えるはず。

まず間違いのないストロボ

  • 連射性能が欲しい
  • TTLが欲しい
  • 楽にぱっぱと使いたい

そういうことを考えると、GODOX V860ⅲはなかなか良い選択肢であり、かつ間違いのない製品じゃないかと思う。

一瞬を切り取るために必要なほぼ0秒に近いチャージタイム。TTLで楽に露出補正。クイックリリースの取り回しの良さ。諸々を考えても「写真に意欲的でない人ほど使うべき」ストロボだと感じた。だって超楽ちんなんだもの。ちょっと高いけど。

ちなみに、時間がかかることさえ許せるならAliExpressで買うのがオススメ。圧倒的に安いので。

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