ブログに書いてないが実はDJI Osmo Pocket3を買った。知り合いのカメラマンさんがPocket2を使っているところを見て、すごく便利でいいことがわかったので入手したのだが、一方で使ってみると不満も出てくる。
NDフィルターほしい。
DJI Osmo Pocket3はNDフィルターがあると化ける
DJI Osmo Pocket3は1インチセンサーを搭載したことで暗所に強くなって、実際に夕方に撮影してみてもかなり鮮明に撮れてよかった。のだが、昼間に関してはちょっと微妙。
DJI Osmo Pocket3カメラの絞り(F値)がF2で固定されているので、明るくなればなるほど動画のシャッタースピードが自動で上がっていくのだ。24fpsとか30fpsの動画に合わせてシャッタースピードも1/25とか1/30とかに合わせたいのに、どうしてもシャッタースピードを1/1000とかにしないと画が明るくなりすぎてしまうし、そうするとパラパラ漫画のような映像になってしまう。
NDフィルターさえあればこんなことにはならないのに…。
K&F Concept DJI OSMO Pocket 3用磁気式NDフィルター
というわけで買ったのがK&F ConceptのDJI OSMO Pocket 3用磁気式NDフィルター。色々な組み合わせでセット販売されているが、今回は
- ND4
- ND8
- ND16
- ND32
以上4枚のNDフィルターが入ったセットを選んだ。ブラックミストとか可変NDフィルターとかCPLフィルターとかいろんなバージョンが選べるが、多分NDフィルターしか使わないだろうとこれを選択した。
中身はシンプルに、
- NDフィルター×4種類
- NDフィルターケース
- マイクロファイバークロス
- Pocket 3液晶画面用ガラスフィルム
となっている。
磁石でくっつく超薄型NDフィルター
K&F ConceptのNDフィルターは、アルミの枠の中にAGC光学ガラスをはめ込み、そこに28層のコーティングを施している。コーティングの効果により反射やフレアを最小限に抑えつつ、防水・防汚効果を持ち、指紋などの汚れがつきにくくなっているとのこと。また縁を黒く塗ることで反射も抑えている。
4つ重ねた時の重量は実測4gだったので、1つ1gという計算に。軽量なのでジンバルの動きに与える影響は最小限になっている。フィルター1つあたりの厚さはおよそ1.7mm。
側面の片側にはK&F Conceptのロゴが、もう片側にはND値が記載されている。文字はかなり小さいが、印刷ははっきりしているので見やすい。フィルターの左右は爪が引っかかりやすいように溝が掘られているあたりも親切。
裏面の左右には磁石が内蔵されている。なので…
Pocket 3のレンズに載せるだけでフィルターを装着できる。磁石は適切な強さなので、ブンブン振り回しても取れはしないが、指をかければ簡単に取れる。
純正オプションの広角レンズとさほど変わりない使い心地だが、かなり薄いぶんだけ取り外しは少し気を使う。レンズは後で拭けばいいやのつもりで取るなら簡単だが、レンズを触らないように意識すると取り外しは少し難しい。
ただこの薄さにより、なんとフィルターをつけっぱなしにしたまま格納状態になれるメリットも有る。フィルターを脱着するのは地味に面倒に感じるポイントなので、つけっぱなしで運用できるのはかなり助かる。
NDフィルターによる色味の変化は最小限
NDフィルターで気になることといえば色味の変化。特に安物のNDフィルターだと結構色が変わってしまうことがあるらしく、割と格安の部類になるK&F Conceptのこれがどうなのかはきちんと確認しておきたい。
フィルターなしから全部ほぼ同じ画角で撮影してみたが、個人的にはあまり気になるほどの色変化が見当たらなかった。強いて言えばND16とND32は若干青や紫に寄っているような気がしないこともないが、比較しないとわからないかな~といった具合。
SS1/30前後で撮影したい場合は基本的にND16かND32を使えばOK
上の写真は全部写真のフルオートモードで撮影したのだが、各種設定は以下の通り。
NDフィルター | F値 | SS | ISO |
---|---|---|---|
なし | 2 | 1/320 | 50 |
ND4 | 2 | 1/90 | 50 |
ND8 | 2 | 1/40 | 50 |
ND16 | 2 | 1/25 | 50 |
ND32 | 2 | 1/15 | 60 |
フィルターレスだとシャッタースピードが1/320だったところが、ND32をつけると1/15まで下がる。そこそこに明るい撮影用ボックス内での撮影でこれなので、明るすぎない屋外であればND32をつければSS1/25や1/50とかで撮影できそうな事がこれでわかる。
なので屋外で24fpsや30fpsで撮影したくて、SSも1/25や1/30や1/50に合わせたい時は、周囲の明るさに合わせてND16かND32を装着しておけばだいたい対応できるはず。
実際に持ち歩くのが2枚で良いということは、1枚はPocket 3に装着しっぱなしにして、もう一枚は持ち運びケースの中に入れれば事足りるということ。こういうときに付けっぱなし運用可能なNDフィルターの薄さが生きてくる。
2枚重ねも可能
「ド快晴の撮影があるからND64以上のフィルターがほしいんだ!」
そんなあなたに朗報がある。K&F ConceptのNDフィルターは薄いので、2枚重ねにしてもケラレず普通に使える。
試しにND4とND32を重ねて4×32=ND128相当として使ってみた。写真モードでも動画モードでもケラレは見当たらず、特に問題はなさそう。当然フィルターを重ねている分だけ画質の低下や反射やフレアなどが発生する場合はあるだろうが、NDフィルターとしては普通に機能する。ただし格納時にはフィルターが引っかかるので、1枚は取り外しが必要。
この時のカメラの設定はF2、SS1/15、ISO120。ND128でも結構使える。ただ全自動モードにしているのになぜか画が少し暗くなるので、手動でISO感度などを調整する必要があるかも。
物は試しと3枚重ねもやってみた。
が、意外とこれでもケラレない。この時はND4×8×16=ND512相当。でもこれだったらND16×32=ND512相当で同じなので、3枚重ねる理由は特にないはず。
2枚重ねする可能性を考慮して2枚だけを選ぶなら、ND4×ND16(=ND64)か、ND8×ND16(=ND128)の組み合わせが使いやすそうな気がする。でもできればNDフィルターは1枚で使いたいので、やっぱりND16とND32を持ち運ぶのが正解かもしれない。純正広角レンズが不要なら3枚持ち運べるので、更に悩みが増えるかも。
とりあえずこれ買っとけばOKなPocket 3用NDフィルターセット
というわけでDJI OSMO Pocket 3用のK&F Concept 磁気式NDフィルターセットを買ってみた。NDフィルターはどの数値を買えばいいのかわからないが、このセットなら基本的に使いやすいND16とND32が最初から入っているし、2枚重ねにすることで幅広い明るさに調整することができる。しかも薄手なので付けっぱなしで運用できるのも助かる。できればND64があればベストだったようにも思うが…。
DJI純正のNDフィルターセットはND16・ND64・ND256の組み合わせだが、ND256まで必要かどうかはちょっと微妙な所あるし、何より値段が1万円弱と高い。対して今回のK&F Conceptなら実売4000円代半ばと割と手頃。難しいことを考えず、とりあえず買っておけば動画のクオリティがアップできる良セットではなかろうか。
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