SIGMAの100-400mmレンズが欲しいなぁと思って早1年。そうこう思っているうちにTAMRONから似たようなレンズが出て来たので比較してみたりもしたが、ついに決意してレンズを買った。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
そして選んだのが、最初に選択肢に浮上したSIGMAの100-400mm F5-6.3 DG OS HSM。どっちがいいかなぁ~とか悩んでおきながら、最終的にこっちのレンズを選んだ理由、それは
SIGMAのレンズを使ってみたい!
ただそれだけ。TAMRONは70-300mmを持ってるし、結局比較してもほとんど一緒なのだから、使ったことのないメーカーのレンズを所有してみたかったのだ。
開封レビュー
ポチって数日、完全モノトーンのシンプルな箱が我が家に届いた。
簡素ながらしっかりとレンズは梱包されてた。飾り気はないけど真っ白な箱で清潔感がある。中にはレンズの他に、保証書や取扱説明書が付属していた。
存在感のある望遠レンズ
肝心のレンズは長さ182mm・最大径86mm・フィルター径67mmでかなり存在感がある。軽量化を意識してプラスチックを多用したレンズなので、マットなボディで高級感はあんまりない。といってもチャチな印象はなく、それなりの堅牢さは感じられる。重量は1.1kgあるだけあって結構ずしっと来る。レンズを伸ばさない状態では重心位置はレンズのちょうど中心であるピントリングの前側か、あるいはそこより若干マウント側にある感じ。レンズを伸ばすとズームリングの後ろ側に重心位置が来る。
ついでに言うけど前玉・後玉のキャップは正直カッコよくない。そこのカッコよさは求めてないけども。
操作系はいずれもスムーズ
ズームリング/ピントリングはキャノンレンズと同じく反時計回りに回すことで望遠/遠くへピントを当てることができる。両リングとも適度なトルク感があり、かつ硬くて操作できないということはない。ただ回す時に若干擦れる音がする。直進ズームはとてもスムーズにできる。
AFなどのスライドスイッチはレンズ左側面に集約。どれも適度なクリック感があり操作はしやすく、不意にずれてしまうほどスライドスイッチが緩くはない。ただカメラバッグから取り出す際にずれてしまう可能性はあるので、固定で使うにしてもチェックは必要かと。SIGMA USB DOCK使用時に使えるカスタムモードの切り替えスイッチも搭載。
またズームロックスイッチもある(写真左側の「LOCK」)が、固定できるのは100mmのみ。使うにしても持ち運びするときぐらいかな…。
簡易防塵・防滴構造
レンズのマウント面にゴム製のシーリングが付いていて、これで簡易的ではあるが防塵・防滴構造としている。実際にカメラボディに装着すると、このシーリングが隙間にピタリと覆いかぶさってくれる。ただ、あるだけましではあるが頼りなさそうな印象なので、雨天時のレインカバーは必須だと思う。
専用フードは直進ズームしやすい形状
付属しているフードは、下にプリントされている文字からもわかるように、贅沢にもこのレンズ専用品。最大径は約96mm(実寸)と大型で、根本以外はほぼ円筒形。樹脂製なので軽い。
レンズを装着すると、100mmの状態でマウント面~フード先端までで約245mm(実寸)とさらなる存在感を示す。
またフードの根元は指を掛けやすいように凹んでいるので、直進ズームをとてもしやすい。というよりも、直進ズームをしやすくするためのフード形状になっている。
収納時の長さは200mm越え
フードを逆付け出来るが、それでも前玉・後玉のキャップをつけた状態での長さは203mm(実寸)とそこそこ大きい。この長さゆえに、これまで使っていたカメラバッグに縦で収まらなくなってしまった…。収納には意外と注意が必要かも。
70-300との比較
このレンズを買う人は70-300mmの上位互換として買う人が多いと思うので、TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD(A005)と並べてみる。並べると余計にSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSMの大きさが際立つ。重さも400g上乗せなのでずしっと来る。
デフォルトだとAFは悪くないけど手振れ補正は微妙
とりあえずデフォルト状態で適当にその辺のものを撮影してみた。
僕が使っているEOS 80Dと組み合わせると総重量は2kg近くになり、レンズもそれなりの長さになるので、片手で持ったりするのはだいぶ厳しい。両手でしっかりと構えれば、特に男性であればそこまで重たいわけではないので慣れれば大丈夫。三脚座がないレンズだが十分に撮影できる。
写真はブログ用に縮小しているので描写の緻密さはそこまで伝わらないと思うが、解像度は非常によく、絞り開放のJPEG撮って出しでも変な色収差も見当たらないので、とても気持ちがいい。葉っぱの葉脈一本一本が見える、とまでは言わないが、それぐらいの印象。前ボケ・後ろボケもきれい。
気になるAFスピードはTAMRON 70-300(A005)よりは圧倒的に速く静かでスムーズ。ただ完全に無音で駆動するわけではない。また標準状態だと、特にピントが外れている場合に動き出しに迷いがある感じでワンテンポ遅れる。でもある程度ピントがあった状態からならスッとフォーカスが当たるのでそこまで不満はない。フォーカスロックすればかなり精度は上がるので、撮りたいものの距離がある程度決まっているのであればフォーカスロックを使用すべき。
一方で気になるのは手振れ補正(OS)で、400mm(APS-C換算640mm)で動いているものを適当に撮ると、そこまでがっちり補正してくれないため少しぶれる。しかもそのブレは大きな画面で見て分かる程度の軽微なブレだからタチが悪い。デフォルト状態で使うときのOS設定はモード2(縦方向のブレのみ吸収 / 流し撮り用)ではなくモード1(縦横のブレに対応)じゃないと辛い。モード1であればそこそこブレを抑えられる。しっかり構えればそこまで問題はないけども、僕が撮りたいスピードが速い物だと難しいかもしれない。
第一印象は好印象
というわけでファーストインプレッションとしては「かなりいい!」という感じ。まとめると、
- レンズに高級感はないがしっかりはしている
- 70-300に比べれば重いが、慣れれば問題ない程度
- 絞り開放でも解像度は高く、ボケも美しい
- AFは少し動き出しが遅いが、十分に速い
- 手振れ補正は少し気になる。静止物なら問題ないけど動きが速いと難しいかも
という感じ。いざ本当に撮影したいものを撮った時にどうなるかはわからないが、手振れ補正さえ改善できれば大満足のレンズだ。これからガシガシ使ってさらに様子を見ていきたい。
USB DOCKで設定変更してみた
USB DOCKを使用してカスタムモードを変更した。具体的には、
- オートフォーカス:ダイナミックモード
- 手振れ補正:ダイナミックビュー
へと変更。つまりはAFの動き出しを速くし、手振れ補正がしっかり効くように設定した。
TAMRONに似たOSの効き方になった
設定変更によりレンズの動きは変わった。
AFは動き出しからスッと動くようになった。が、その一方でとりあえず動いてからピントが合っているかどうかを確認するようになるためか、必ずしもピントが合うまでのスピードが速くなるわけではないみたいで、これは標準でもいいかな~という印象。
一方で手振れ補正はファインダーを覗いている限り明らかに効き方が変わり、TAMRONほどではないが「ゴキッ」とした動きで被写体が止まる。実際に写真のブレが減るかどうかはこれから試してみる必要がある。
モータースポーツの撮影に使ってみた
走行会に参加した友人のサポートついでに、デビュー戦としてこのレンズを使ってみた。動き物に対してどうなのかが気になるところであったが、かなり使えるレンズだった。
ファームウェアアップデートで超快適に!
ファームウェアをV2.0へとアップデートすることで超快適なAF性能を手に入れることができた。使い心地が最高に良くなるのでアップデートは必須!
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