一眼レフでかっけえ動画撮りたい!と思うと意外とめんどくさい。手持ちだとまぁそれなりって感じだし、パン・チルトの動きはどうしたって難しい。やっぱりビデオ三脚が欲しい。
でもビデオ三脚を持ち運ぶのはめんどくさすぎるし、そんな仰々しいものは絶対に使わなくなる自信がある。少し不便でも工夫次第でどうにかなりそうな、持ち運びに便利なコンパクトなビデオ雲台があれば…。
Ulanzi F38クイックリリース搭載フルードビデオ雲台
というわけで選んだのが、UlanziのF38クイックリリース搭載フルードビデオ雲台。正式名称は【Ulanzi EH12 F38 クイックリリースフルードビデオヘッド】というらしい。
本体とパン棒、パン棒を固定するボルトにF38クイックリリースシュー、そして取扱説明書が付属する。
水準器付き超コンパクトフルードビデオ雲台
この雲台、トラベルユースを考えているだけ合って超小さい。実測で高さ約93mm、もっとわかりやすくいえば片手に収まるサイズ感をしている。重さはパン棒やシュー込で実測395gとこれまた軽い(ただしサイズ感故にずっしりとした感じはある)。
それでいてレベリングできる(単体で水平が取れる)はフルード入りでぬるぬる動くは、神クイックリリース機構F38搭載だわと至れり尽くせり。
パン棒は溝に合わせてネジで固定するスタイル。自分の好きな向きにパン棒を設定できるので、右利きでも左利きでもOK。
パン棒をつけると一気にビデオ雲台っぽくなる。
FALCAMのクイックリリース機構F38を搭載。シューは本体に合わせたグレー色になっている。
本体の底面には1/4(変換アダプターを外せば3/8)の一般的なカメラ用三脚ネジ穴が備わる。なのでだいたいどんな三脚にも固定できる。
本体の側面に小さい六角レンチが搭載されていて、これで付属のシューを締め込むことが可能。こういうギミックは実用的で嬉しい。
バランス調整はできないが、トルク調整でスムーズなカメラワークが可能
三脚(Ulanzi & COMAN ZERO Y)に取り付けてみた。雲台が外せないタイプのスチール用三脚に付属のF38シューで取り付けているので無理がある感じがすごいが、意外とこれでも普通に撮影できるから面白い。
カメラを載せてみるとこんな感じ。
このビデオ雲台、構造的にカメラ位置を前後できない=バランス調整ができないので、この状態だと重心位置の問題でチルト(上下方向)調節ノブを緩めるとカメラが下を向いてしまう。が、チルト調節ノブも微妙なトルク調整がそれなりに効くので、いい具合の抵抗感にすると意外とどうにかなってしまう。
パン棒に軽く手を添えてバランスを取れば、かなり安定した撮影ができた。必要な場所では軽くチルト調整ノブを閉めればそこでカメラを固定できるのもスマートだ。
カメラを載せているとパン方向(横方向)のフルードは若干軽い感じがしなくもないが、かなりスムーズにヌルヌルとしたカメラワークができるし、止めたいところではピタッと止められる。
僕にとってはこれが初めてのビデオ雲台だが、ちょっとした練習で大体動かしたい動きができるようになったぐらい使いやすさはある。
チルト方向に大きく動かすと若干ネチャネチャ音がする
気になるポイントその1としては、チルト方向に動かすと音がする場合があること。
大きく速く動かすと、中のグリスか何かが「ネチャネチャ」という音を立てるのは動画的に気になる。小さな音なのでほぼほぼ影響はないと思うが、録音環境次第ではちょっと気になるかもしれない。
水準器が少し見づらい
そのコンパクトさ故に水準器を真上から確認できないのも気にはなる。でもまぁ見れなくはないし、斜めから見てもだいたい水平は取れるのでそこまで気にはならない。
一部レビューでは「カメラ装着状態で水準器が見れない」と言っている人もいるようだが、F38のクイックリリースを活かせば1秒後には水準器が見れるはず。せっかくのクイックリリース機構を活かせばいいのに。
超コンパクトで持ち運びに便利なビデオ雲台
報道機関のようなビデオ撮影機材と比べればおもちゃ同然だが、機能としては十分に揃っていて工夫次第できちんと撮影できることが確認できた。実際使ってみても結構「それっぽい」カメラワークの映像が撮れるのでかなり楽しい。
バランス調整できないのが最大の難点だと思うが、この雲台で30分も1時間も被写体を追い続けるような撮影をする人は居ないはず。むしろ5分以内の撮影をポンポン繰り返すぐらいならこれぐらいで行けるなと、使っていくうちに感じたのが僕の感想だった。
そして何よりもこのコンパクトさ。パン棒を外せばカメラバッグの隙間に余裕で入るのでどこでも持ち運べるし、重さも400gと軽量なのでカバンの中にいる分には気にならない。必要なときにパッと組み立てて、F38クイックリリースで一瞬でカメラを取り付けできる気軽さは、そのへんのビデオ三脚には無い世界感だろう。
完璧な性能よりも、工夫次第で撮れる映像を楽しめる人にこそこの三脚は向いている。大丈夫。映像にはビデオ雲台は写り込まないから。
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