TENBA DNA 16 スリムメッセンジャーバッグ:16インチノートPC+一眼レフが持ち運べるスマートなカメラバッグ【レビュー】

カメラ

一眼レフカメラと15インチのノートPC+αぐらいの荷物を持ち運びたいと思った時、なかなかちょうどいいバッグが見つからないという現象に陥る。

ノートPCが13インチサイズだったら意外と選択肢があるのだが、15インチとなると基本的にバックパック型しか選択肢がない。確かに僕はEndurance Extというバックパック型のカメラバッグを持っているのでこれで用は足りるのだが、でもいちいちバックパックを背負うほどの荷物もない。中身がスカスカなのにバックパックを背負わざるを得ないのはなんだか気持ちが良くないし身軽さもない。

メッセンジャーバッグのようなサクサクッと持ち運べるバッグが欲しい…。

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TENBA DNA 16 スリムメッセンジャーバッグ

探した中でほぼ唯一と言っていい僕の条件を満たしたバックが、このTENBA DNA 16 スリムメッセンジャーバッグ。スリムじゃない方(DNA 16 PROメッセンジャーバッグ)もあるのだが、縦グリップ付きのカメラを所有する予定も無いのでこちらを選択した。東京に行った際に実物を確認したのだが、PROの方はかなり大きく感じたというのもある。

そんなことよりもとにかく良いのが見た目。「THE カメラバッグ」といったあの黒くて四角いデザインではなく、普通に持っていても何の違和感もないデザインなのが嬉しい。全体的に防水素材でできているので生地の質感が特別に高いとは言えないが、かなり落ち着いたデザインなのが気に入っている。

裏面にはキャリーバッグの持ち手を通す穴と、ジッパー付きのポケットが装備。このポケットの中には薄手の書類を入れられる。またメッセンジャーバッグなので補助ベルトを装着するためのフックが左右に取り付けられている。

ちなみに各部のジッパーは全てYKK製。流石の品質でしっかりしているので、ジッパーが壊れるトラブルとは無縁だろう。

外寸40W×30H×14D cm
内寸37W×29H×10D cm
重量1.22kg
ノートPC収納部サイズ37W×25H×3D cm
容量ミラーレスまたは一眼レフカメラ
+レンズ4~6個
70-200mm F2.8レンズが収納可能
ノートPC/タブレット16インチまでのノートPC
+11インチまでのタブレット
参照:TENBA公式サイト

どうしても15インチサイズのノートPCを収められるサイズになっている都合上、肩掛けバッグとしては少し大き目サイズ。でも店舗で見た限りPeak DesignのEVERYDAY MESSENGER 13L(V2)とサイズ感は変わらなかったので、こちらのほうが少し効率的かもしれない。

底面は防水素材になっているので、多少濡れているところに置いても大丈夫。自立する構造になっているのも非常にありがたいポイント。

肩ベルトはシートベルトのような素材でかなり頑丈。ガッチリとバッグ本体に固定されているので取り外しは不可。そこに取り外し可能な補助ベルトも付いている。肩パッドがめちゃくちゃ優秀で、しっかりとクッション性を持ちながらベルトに対して適度に滑るので、背中に斜めがけした状態から荷物を取り出すべく体の横に持ってくる動作がスムーズにできる。

前面の黒い部分には反射素材が仕込まれているので、夜間に車のヘッドライトなどで光るようになっている。ちゃんとメッセンジャーバッグとして使ったときの安全性まで考慮されている。

マグネットロック+バリバリ言わない特殊面ファスナー

メインのフラップは2つの機構によってロックされる仕組みになっている。

一つがこのFIDLOCKのマグネットロック。横にスライドさせないと外れないので、不意に空いてしまうことが無い。しかし装着するときは真正面からバックルを近づけるだけで磁力で勝手にくっつくという手軽さ。これ考えた人すごい。

さらにフラップの裏には大型の面ファスナーが左右に装備される。面ファスナーと言えば開けるときの「バリバリ」という音が気になるものだが、このファスナーは一味違う。

フラップを下げながら開くと「パリッ」とほとんど音がしないで開けることができるのだ。この特殊面ファスナーはかなりすごい。

…でもロック機構はどちらか片方で良かったのでは…?ロック機構が2つあるのは安全性の観点からは良いのだが、若干の面倒くささもある。

メイン収納

基本的にはメインの収納部と、小物類を入れる収納部分に分かれている。カメラバッグにありがちなど派手な内装カラーではなくシックで落ち着いているのもいい。ちなみにフラップ裏のTENBAのロゴが刺繍されている部分はちょうどカメラの上に覆いかぶさる部分で、クッション性が持たされている。

深さは約28cmとかなりあるので、100-400mmレンズをEOS 90Dに装着した状態で縦に収まる。逆に短めのレンズを付けた状態だと下が余るので、その辺りは後述の仕切り板で調整できる。

メインのカメラ収納部は付属の仕切り板で大きく3つに分けられる。メインの灰色の仕切り板には取手もついているので、奥の方にある荷物を取り出すときにも便利。

カメラ収納部の奥にはノートPCとタブレットの収納場所が備わる。前述の通りノートPCは16インチ、タブレットは11インチまで収まる。

小物を入れる収納部分は左右にマチがついているので、不用意に大きく開いてしまうことがないようになっている。ただここ、あんまり厚みのあるものを入れるとうまく閉まらなくなるので、バッテリーとかスマートフォンとかパスポートぐらいしか入れられるものが無さそう。

小物ポケットは左右で伸びるタイプと伸びないタイプに分かれている。このポケット、深さ16cmとかなり深く、スマートフォンがすっぽりと収まってしまう。せっかく複数あるのだから一つはもうちょっと浅めのポケットにしてくれたほうが中身を取り出しやすくて良いのになという気はするが、物が落ちるのは防止してくれそう。

上部開口部から素早くカメラを取り出せる

フラップを開くのは少し手間だが、フラップ上部にはジッパーが装備されていて、素早くカメラ収納部分にアクセスできる。かなり広く開くので、中のカメラやレンズを取り出すのは容易。レンズ交換するのも支障ないレベル。

ただこの状態でノートパソコンを取り出すのには若干難しいので、やはり中身をすべて取り出したいときはフラップを開いたほうが良い。

カメラ収納の仕切り

カメラ収納の仕切りはカメラバッグによくある面ファスナーで固定するタイプで、適度にクッション性のある硬めの質感。縦方向の灰色の仕切りが2枚と、横方向の仕切りが2枚、レンズサイズに合わせて調整用の仕切りが3枚入っている。

横方向の仕切りを活用することで、このようにレンズを縦に重ねたときにもお互いが直接接触しないように工夫できる。70-200 F2.8という大きめのレンズも収められるので、細いレンズを入れたときに暴れないようにうまくサイズ調整できる辺りもカメラバッグとしてよく考えられている。

カメラ収納部は取り外し可能

内部にピタッと収まっているカメラインサートはバッグ本体から取り外し可能。

カメラインサートを取り外すとかなり広大なスペースを持つメッセンジャーバッグに早変わり。この状態でも(少しクタッとするが)バッグ本体が自立する。

雨カバーが付属

バッグの生地は水を弾く素材になっているので軽い雨ぐらいなら対処できるのだが、ジッパーは止水ではないのでしっかりと水に濡れるのはNG。そんなときのために雨カバーが付属している。

雨カバーは割とコンパクトなので、カバンの底にでも放り込んでおけばクッション代わりになってちょうどいい。

収納袋が一体化しているタイプなので紛失を防げる。当然撥水素材でできていて、肩ベルトを通せるようにスナップボタンも付いている。

雨カバーを装着するとこんな感じ。裏面は背中が当たるので軽くしかカバーされない。雨カバーを装着しても長時間強い雨に当たるのは避けたほうが良さそう。

カメラ用品一式を詰め込んでみる

実際どの程度の荷物が入るのか確かめたいので、まずは手元にある機材を引っ張り出してみる。

レンズを3本持ち運ぶことは僕は殆どないのだけども、これぐらいの量が運べたら割と便利だなって感じのセットにしてみた。縦長の収納をうまく活かしながら詰め込んでみると…

割と余裕で入ってしまった。スペース的には余分はあるのだが、トラックボールマウスのように少し大きくて場所を取るものを入れるためのちょうどいい場所がなかったので、とりあえずカメラの横に置いてみた。

ただこのブログを書いてるときに思い直したが、縦の仕切り板を上方向まで伸ばせば普通に入ったはず。なんなら100-400mmと30mm単焦点を縦に積むこともできるので、そうすればさらに効率的に物を詰め込めたはず。なぜその写真がないかと言えば、撮り直すのがめんどくさいから…。

しかしノートPCのAC電源がホント邪魔。そのうちUSB TypeC充電のノートPCにしたい…。

フラップを締めてみてもまだまだ余裕を感じる。若干中央が膨らんでいるのはやはり小物収納ポケットに厚み方向の余裕が元々少ないため。

ただここまで入れると重量がだいぶ増して、実測7.6kgとなってしまった。長時間肩掛けするには少し重さを感じるので、実際にはもうちょっと量を減らしたほうが良いと思う。

少しイマイチなところ

実はバックパックと大差ないサイズ感

当たり前といえば当たり前なのだが、15インチノートPCが入る時点でこのカバンは結構大きい。実際バックパック型カメラバッグであるEndurance Extとくらべてもほとんどサイズに変わりがない。ただ肩ベルトが1本しか無いのでじゃまになる感じも少ないし、横に持てるってだけで何故か少しだけ小さく見える。

当然ながらPeak Design Everyday Backpack 30Lに比べると一回り以上小さい。

メインベルトの調整バックルがスムーズじゃない

メッセンジャーバッグと言えば肩掛けベルトをキツめに締めることで身体と密着させ、荷物を取り出すときはベルトをさっと緩めてくるっとカバンを前に持ってこれる自由度の高さが便利なポイント。当然そのためにはスムーズに調整可能な肩ベルトがついている必要があるのだが…、

TENBA DNA 16 スリムメッセンジャーのアジャスターは一般的なタイプで、せっかくのツルツルの自動車用シートベルトのような肩ベルトに食い込んで全然スムーズに動かない。なぜここにコストをかけなかったのか…。

じゃあベルト自体を交換してしまおうと思っても、バッグ本体にしっかりと縫い付けられているのでそれもできない。ここだけはもう少し考えて作ってほしかった。

三脚を持ち運べない

このバッグには三脚を持ち運ぶための工夫は全くない。コンパクトサイズのものなら適当に放り込めばいいのだが、一般的なサイズのものはカバンの外にくくっておくためのベルトなどが準備されていないので、もし必要ならば別のカバンを選んだほうが良い。

大容量ながらスッキリ身軽なカメラバッグ

このバッグ、アメリカ本国の定価が約$190に対して日本国内は実売3万円半ばぐらいで販売されているので正直割高感が否めないし、実際生地の質感や肩ベルトの機能性などで少し気になるところはある。メッセンジャーバッグとして使うと不満が出るだろう。

ただ一方で、カメラ+ノートPCをスマートにパッと運びたいといった需要にはピッタリ。僕は15インチノートを運びたいがためにこのサイズにしたが、本当に必要な荷物だけで考えればだいぶ持て余すサイズ感ですらある。薄手の上着や適当な小物を詰め込む余裕と考えれば問題ないが、小さいサイズの選択肢もあるので、各々の荷物に応じて選ぶ楽しみもある。

僕としてはカメラバッグらしかぬ見た目で普通に使えて、身軽にぱっと持ち運べるのがとても気に入ってる。珍しい物好きな人間としては日本語のレビューがほとんど見つからないので多分国内ユーザーが少なそうなところも良い。

ちなみにAmazon販売だと他よりかなり安く買える場合が多い様子。

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